私が宮尾登美子さんの小説が好きになったのは、「きのね」がきっかけです。
今の市川海老蔵のおじいさんとその奥様がモデルになっています。
宮尾さんはこの小説を書いたことで、市川海老蔵の父團十郎さんから訴えられることになったそうです。
監獄に入れられたらどうしようかと思ったそうですが、それも経験になるかなと前向きだったそうです。
市川海老蔵のおじいさんがモデルになっていますが、奥様の描き方が魅力的です。
宮尾さんの小説は男性が主人公でも女性が魅力的に描かれます。
この奥様は本当にけなげで優しくしっかりものです。
市川海老蔵さんのおじい様ということで、かなりハンサムでモテたようですが、普通の奥様なら耐えられないと思う旦那様です。
あくまでフィクションなので、本当の所はどうかわかりませんが、暴力、酒、女と困った旦那様だったようです。
しかし惚れた弱みなのか、奥様がけなげに耐えている様子が私には、私には芯が強い人なのだと思わせられます。
昔なので、お父さんが育児を手伝うなんてなかったでしょうが、私にはいくら惚れていてもこんな旦那さんは無理と思ってしまいます。
旦那様が亡くなった後まで、愛人が何か形見が欲しいと言ってくるところなんて、私だったら、絶対に何もあげたくないですが、この奥様は良いでしょうと言って着物をあげるのです。
奥様はあまり美人ではなかったように書かれていますが、性格の良さがずっと連れ添えた理由なのなかと思いました。
これをきっかけに歌舞伎に興味をもちました。
皆さんもぜひブックオフで買って読んでみてください。