想像を思いきりかきたてられた「あとは切手を、一枚貼るだけ」

 「博士の愛した数式」で有名な小川洋子さんと、フランス文学者で個性的な随筆や小説を書いている堀江敏幸さんの本です。 それぞれの作家が手紙をやり取りするような形式で書かれています。 男女二人が交わす手紙の内容は全く個人的な話が中心で、最初は「二人の関係はどうなのか」や「何か起こったのか」と言ったことはさっぱりわかりません。 ただ二人の手紙を読んでいく... Read More

氷点

私は三浦綾子さんの本が大好きで、色んな小説を読みましたが、その中でも一番好きなのは「氷点」です。 この小説の中には「原罪」というものがテーマになっていて、小説の中に出てくる人たちのそれぞれの心の中にある罪(悪い思い)が描かれています。 そしてその心の中にある悪い思いが、様々な事件を引き起こしたり、周りの人を不幸にしていきます。 人の心の中は見えない... Read More

点と線(ネタバレあり)

東京駅で官僚の課長補佐と料亭の女中が二人で列車に乗り込むところを、官僚に出入りしている機械工具商の安田という男が同じ料亭の仲間の女中に知らせ、その後、九州の海岸で二人が綺麗に並んで死んでいるのを発見されたので、誰もが情死だと疑う、という所がこの作品の一番のおもしろさだと思います。 私自身も日常生活の中で、お店に並んで入ってきた男女をカップルだと思っ... Read More

天使の囀り

今回紹介しますのは貴志祐介さん作の”天使の囀り”という本です。 この本の題材としましては”寄生虫”がメインになってきます。 寄生虫といいますと皆さんはどういったイメージを持たれるでしょうか。 私自身、この本を読むまでは寄生虫にたいしてそんなに恐怖を抱いたことはなく普通に「あー虫とかに寄生するやつだなぁ」としか思っていなかったのですが、 この本を読ん... Read More

『わしらは怪しい探検隊』は無骨な男の繊細な視線が生きているエッセイ

『わしらは怪しい探検隊』は椎名誠氏の野外キャンプにまつわるエッセイです。椎名誠氏が主宰する「東日本何でもケトばす会」は、毎年テントを張って屋外で寝泊まりして自炊します。テントを張るのは離島です。民宿があっても、民宿には泊まらず、テント生活をすることに、椎名誠氏は意味を見出しています。メンバーはいずれも男性で、最年少は中学生のフジケンです。 『わしら... Read More

『風と共にゆとりぬ』朝井リョウ

最近読んだエッセイでおすすめなのが『風と共にゆとりぬ』です。 作者は平成生まれの直木賞作家の朝井リョウ氏です。タイトルからして名作をいじってくるセンスがあふれる一冊です。 文字だけでここまで笑える本に出会えて感動しました。声をあげて笑いながら読みました。 何がここまで面白いのかと考えてみると作者の恥ずかしい部分も包み隠さず表現されているところや朝井... Read More

「赤目四十八滝心中未遂」から学ぶ光と闇

主に尼崎を舞台として、繰り広げられる小説「赤目四十八滝心中未遂」は、純粋な恋愛小説である反面、社会の闇がリアルに描かれた作品です。尼崎の他にも、実在する地名が多く登場し、特に関西方面に住んでいる読者は、生々しく情景を描きながら、読み進めることができます。 特に部屋の描写はリアルで、情景が思い浮かぶだけでなく、においまでもが感じられるようでした。狭い... Read More

猫を棄てる

文藝春秋6月号が話題になっていた、村上春樹の書き下ろし短編が掲載されているとわいていました。 「猫を棄てる」という題名でした。 猫を棄てるのか?と猫ばかりを話題にしているサナカで疑問符が浮かび上がる。 早速読んでみようと本屋を探しました。 明大前駅前の啓文堂書店にて購入しました。 ルーツを始めて綴った!と副題がついています。 村上春樹のルーツとして... Read More

華やかな中華王宮風の「後宮の烏」

これは新聞の書評で知りました。中華王宮風ファンタジー好きな私としては、すぐさま買いに、書店に走りました。それに、新聞で紹介されたカバー絵も私好み。美女が、舞うようにしなやかに、牡丹の花を見つめているのです。私は、美しい物も好みなのでした。 内容は、期待に違わず魅力的です。 後宮奥深くには、謎に包まれた「烏妃」が住まっています。不思議な術を使うと言わ... Read More

今だからこそ「動物農場」を読んでほしい

1945年に刊行されたジョージ・オーウェルによる「動物農場」を読みました。 人に薦められて読んでみたのですが、これはいろんな人に呼んでもらいたい作品だと感じました。 古い作品って、妙に敷居が高いようにも感じます。 難しい内容なのでは?と身構えてしまうのですが、この作品はそんなに難しい内容ではありませんし、分厚くもないので、すぐ読めてしまいます。 も... Read More